コーヒー

ドラムスピードについて考えてみよう

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はじめに

みなさん、こんにちは。

突然ですが、「ドラムスピード」って聞いたことありますか?

ドラムスピードは焙煎機のドラムの回転速度のことなのですが、回転速度まで制御できる焙煎機が日本ではあまり一般的ではないので、大きく取り上げられることはないかもしれません。

かくいう小職が扱っている焙煎機(フジローヤル直火式5KG)も回転数を制御することはできません。

しかし、最近の海外製の焙煎機ではこのドラムスピードを制御する機能を搭載したものが出てきています。

例えば、最近では日本でもよく見かけるようになってきたGiesen(ギーセン)の焙煎機はドラムスピードをコントロールすることができます。

もっと身近でもドラムスピードの理解が役立つ場面があります。

そうです、手廻し焙煎機です。

もし、ドラムスピードが焙煎にどのような影響を与えるかがわかれば、手廻し焙煎家の皆さまにもきっと役立つと思います。

ということで(少し強引ですが…)、今回はこのドラムスピードについて海外の記事を参照してみたいと思います。

紹介する記事は、The Perfect Daily Grindから”Understanding Roaster Drum Speed & Its Affect on Your Coffee“です。

Understanding Roaster Drum Speed & Its Affect on Your Coffee

本編

それでは早速読んでみましょう。

Coffee roasting includes adjusting many variables to create your perfect roast profile. By changing factors including temperature, length of roast, and airflow, you can highlight sweetness, emphasize acidity, or create a well-balanced roast. But how does drum speed impact your results?

コーヒーの焙煎には、理想のローストプロファイルを創出するためのとてもたくさんのパラメータが存在する。温度や焙煎時間、エアフローなどの要素を操作することで、甘さを引き出したり、酸味を強調したり、バランスの良い焙煎を実現したりできるのだ。では、ドラムスピードは焙煎の結果にどのように影響するのだろうか。

By adjusting drum speed, you can affect the amount of time that coffee beans are exposed to direct heat. Read on to learn more.

ドラムスピードを操作することで、コーヒー豆が直接熱に晒される時間をコントロールすることになる。詳しくみていこう。

What Is Drum Speed? 

ドラムスピードとは?

Drum speed is the measurement of one complete revolution of the drum of your coffee roaster. It’s measured in revolutions per minute (RPM). Coffee roasters are either fixed speed or variable and the manufacturer will tell you a machine’s drum-RPM in its literature. 

ドラムスピードは焙煎機のドラムの1回転を計測したものである。単位は回転速度(RPM)である。焙煎機にはスピードが固定されているものと可変のものがあり、メーカーは焙煎機のドラムRPMとして明記しているだろう。

But there are some reports of drums running more quickly or slowly than advertised. Let’s explore why this matters and how you can check your machine’s RPM.

しかし、いくつかの報告によれば、ドラムの速度が表示よりも速いあるいは遅いことがある。なぜこのことが問題なのか、そしてどのように焙煎機のRPMをチェックできるか探ってみよう。

Why Is Drum Speed Important?

なぜドラムスピードが大切なのか?

When we roast coffee, we expose green beans to both direct and indirect heat. The beans hit the hot walls of the drum, and they also move around in the warm air. The drum speed has an impact on how much contact the beans have with the walls of the drum, as well as the fall time of the beans (the short cooling time as the beans fall inside the drum).

コーヒー豆を焙煎する時、生豆は直接的、あるいは間接的な熱に晒される。生豆は直接的にドラムに接触するし、熱風の中を攪拌されているのだ。ドラムスピードはコーヒー豆がドラムの壁面にどの程度接触するかに大きく影響し、同時に生豆が攪拌されて空中に投げ出される時間に影響する(豆がドラム内を落下する間に短時間だが冷まされる)。

At slower rotation speeds, the beans will be in contact with the direct heat of the walls for longer, meaning they’re at risk of being over-roasted.

ゆっくりとした回転速度の時は、豆はより長い時間ドラムの壁面に接触することになり、これはオーバーローストのリスクに晒されることを意味する。

Mark Additon is a coffee roaster and the owner of Updike Newtowne Coffee in North Kingstown, Rhode Island. He tells me that “if the drum speed is too low, the beans could be scorched. If the speed is too high, then the beans have the potential to break apart.”

Mark Additon氏はRhode IslandのNorth KingstownにあるUpdike Newtowne Coffeeの焙煎担当兼オーナーだ。彼が言うには、「もしドラムスピードが遅すぎると、コーヒー豆は焦げてしまうでしょう。もし速すぎると、焼きムラにつながるでしょう」ということである。

Ida Lindhardt Kofod is Roastmaster for KONTRA Coffee in Denmark. She tells me, “I gave drum speed a thought only when I had issues with scorched beans in our old drum roaster. The problem only appeared when I did full batches, and if I wanted to keep the roast time below 13 to 14 minutes.

Ida Lindhardt KofodはDenmarkのKONTRA Coffeeのローストマスターである。彼女が言うには、「ドラムスピードが問題になったのは、古いドラム式焙煎機で豆が焦げてしまった時だけです。この問題が現れたのはフルバッチで、焙煎時間は13から14分未満に保ちたいと考えた時だけです。」

“If the problem [of scorching] only appears in big batches, the contact time between beans and drum is too long, meaning I toast the beans rather than roast them.” 

「もしこの(焦げるという)問題が大きなバッチサイズにだけ現れるとしたら、コーヒー豆とドラムの接触が長すぎるということで、焙煎するというよりトーストしているようなものです。」

Coffee beans that are scorched may have an undesirable burned flavor and the lack of fall time could create a baked taste. By increasing the speed slightly, Isa was able to minimize scorching with larger batch size.

焦げたコーヒー豆は望まれない焦げたフレーバーを有し、落下時間の不足はベイクトな風味を作り出してしまうだろう。スピードを徐々に上げることで、Idaは大きなバッチサイズでも焦げの影響を最小化することができた。

Ida says, “When roasting, you want a constant and uniform heat transferring from the roaster to your beans.

Idaは言う。「焙煎時には、焙煎機からコーヒー豆への熱の移動は均一で一定であることが望ましいです」

“A too high drum speed would mean that the beans never drop, like when you centrifuge clothes, but would continue to be pushed to the drum walls… With a too low drum speed, the beans would drop too soon.”

「ドラムスピードが速すぎると言うことは豆が落下せずに(洗濯機で脱水している時の遠心力がかかった服のようなもの)、しかし一方で豆はドラムの壁面に押し付けられていることを意味し、ドラムスピードが遅すぎるということは、コーヒー豆がすぐに落下してしまうのです。」

Using Variable Drum Speed to Your Advantage

アドバンテージを得るために可変のドラムスピードを利用する

You may wish to adjust the drum speed during your roast to make use of the direct heat that results from a slower RPM. Just as you adjust temperature at different stages of roasting, drum speed can be used to help flavor and aroma development. By dialing down the speed, you can keep beans in the development stage for longer.

より遅いRPMの結果として得られる直接的な熱を焙煎に利用するためにドラムスピードを調整したいと思うかもしれない。焙煎の異なるステージで温度を調整するように、ドラムスピードをフレーバーやアロマのデベロップメントに利用することができる。スピードを落とすことで、豆をデベロップメントステージに長く止まらせることができるのだ。

Mark says that “it is possible that it [drum speed] would have an advantage with espresso. You are looking for a different flavor set when roasting for espresso.”

Markは言う。「ドラムスピードはエスプレッソ用の焙煎に利用することが可能です。エスプレッソ用の焙煎で異なるフレーバーセットを期待できるでしょう。」

But Ida cautions that experimenting with drum size can be risky. She says to “be prepared to lose beans when experimenting. If you do not have any issues with your roaster, and your profiles are working perfectly, I would be careful when starting to work with drum speed, as it changes your parameters, adds another variable, and you need to work with all your profiles again.”

しかしIdaはドラムサイズによっては検証にリスクが伴うと警告する。彼女は言う。「検証するときにはロスとなるコーヒー豆を用意しましょう。もし焙煎機になんの問題もなく、プロファイルが完璧に機能しているなら、ドラムスピードの調整には慎重になるでしょう。なぜなら、パラメータを変更することは、他のパラメータの調整が必要となり、すべてのプロファイルを検証し直す必要があるからです。」

Ideal RPM & Other Factors to Consider

理想的なRPMと考慮すべき他の要素

There is no definite rule about the ideal drum speed, but the general consensus is that the larger a drum barrel, the slower it should run. For example, Scott Rao recommends 70–80 RPM for a 1–2 kg roaster and 40–44 RPM for a 60 kg drum. But he makes note that the drum diameter is the determining factor, not the machine’s capacity.

理想的なドラムスピードに決まったルールは無いが、一般的なコンセンサスはドラムサイズが大きいほど、ゆっくりと回すということだ。例えば、Scott Rao氏は1〜2kgの焙煎機では70〜80RPM、60kgのものでは40〜44RPMを推奨している。しかし彼が付け加えているのは、ドラムの直径によって決めるべきであって、焙煎機の容量で決めるべきでないとのことだ。

You can check the speed of your roaster by making a mark on the edge of the drum. Wait until our machine is at working speed and then count how many times the mark passes a fixed point in one minute. This is your RPM.

焙煎機のドラムスピードはドラムの端にマーキングすることによって確認できる。マシンの回転スピードが安定するまで待ち、1分間に何回そのマークが通過するかを数えるのだ。これがそのマシンのRPMとなる。

Joanna Alm is a roaster at Drop Coffee Roasters in Stockholm. She tells me that the type of heat used should be a consideration when deciding whether to adjust drum speed. “Roasting is about finding your roast’s optimal settings for what taste profile you wish to achieve for your coffee. A limit of gas, air, and drum speed will all hold your abilities back,” she says.

Joannna AlmはStockholmにあるDrop Coffee Roastersの焙煎担当である。彼女が言うには、ドラムスピードを調整するかを決めるときには、利用する熱のタイプを考慮に入れるべきである。「焙煎は最終的にどのようなテイストプロファイルのコーヒーにしたいかによって最適化された焙煎のセッティングを見つけることになります。ガスやエアフロー、ドラムスピードには制限があるので焙煎担当ができることにも限界があるでしょう」と彼女はいう。

“A higher or lower drum speed is better, depends on if you are roasting with convention or conduction heat. How hot your drum gets, the drum materials and the batch size impact how the coffee is roasting.”

「ドラムスピードはより速い方がいいのか、それとも遅い方がいいのかは焙煎に伝導熱を利用するのか、または対流熱を利用するのかによります。ドラムがどの程度熱せられているか、そのドラムの素材、バッチサイズがどのようにコーヒーが焙煎されるかに大きな影響を与えるのです。」

Even if you choose not to vary your drum speed, it might be worth taking note of your RPM. If you notice scorched beans or baked notes that you can’t troubleshoot, check it again to make sure you don’t have a mechanical fault that has caused the roaster to slow down or speed up.

ドラムスピードは変更しないことを選んだとしても、RPMを記録することには価値があるだろう。もし焙煎豆の焦げやベイクトに気付いたがトラブルシュートできないといった場合は、今一度、ドラムスピードが遅くなった、あるいは速くなったことによるマシントラブルがないか確認してみよう。

Drum speed is just one more factor to consider when roasting coffee. When manipulated intentionally, it can be used to your advantage. But it may be easier and more accurate to change other variables, such as airflow or temperature.

ドラムスピードはコーヒーの焙煎時に考慮すべきもう一つの要因である。意図的に操作すれば、アドバンテージとして利用できるだろう。しかし、温度やエアフローのような他のパラメータを変更した方がより簡単で正確にコントロールできるかもしれない。

Make sure that your roaster is running at a consistent drum speed by taking note of your RPM and checking it periodically. It’s one thing to purposely adjust the speed, but another to accidentally vary it. Understanding RPM can help you solve issues with subpar roasting results and contribute to you to creating great coffee.

定期的に使っている焙煎機のRPMを記録してドラムスピードが一定か確認しよう。目的を持って調整していればいいのだが、そうでなければ他の原因で変化してしまっている。RPMの理解によって標準以下の焙煎結果という問題を解決することに役立つだろうし、素晴らしいコーヒーを作り出すことに貢献できるだろう。

おわりに

ドラムスピードが速すぎた場合と遅すぎた場合について、なんか途中で言ってることが変わっているような…

とツッコミどころのある記事でしたが、重要な示唆も含まれていたと思います。

一つ目は、ドラムスピードはドラム内の豆の挙動に影響するため、ドラムと豆が直接接触する伝導熱とドラム内の空間に流れている対流熱との関係で考えること。

ドラムスピードはマシンの老朽化などに伴い、変化しうるので、出来れば定期的に記録しておくこと。

ただやはり、プロファイルの調整には、火力による温度調節やダンパーや排気ファンによるエアフローの調節の方が効果的だろうから、ドラムスピードは副次的なパラメータとして捉えた方がいいこと。

こんなところでしょうか。

2、3つ目などは、焙煎機を使っている場合に限られるかもしれませんが、1つ目については手廻し焙煎機ユーザーにも有益な情報なのではないでしょうか。

特に手廻し焙煎機ではドラムスピードは意識的に気を付けないと容易に変化してしまうので、最初のうちは特に記録しておいた方がいいかもしれません。

今後はドラムスピードも調整できるような焙煎機が主流になっていくのでしょうか。

それでは今回はこの辺で。

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