ROASTING FOR ESPRESSO VS. FILTER BY Scott Rao

コーヒー

エスプレッソ向けの焙煎について(その2)

投稿日:

はじめに

みなさん、こんにちは。

今回は前回に引き続き、エスプレッソ用の焙煎について考えてみたいと思います。

参考にする記事は世界的にコーヒーについての影響力を持つScott Rao氏のブログから引用しています。

https://www.scottrao.com

引用したのは”Roasting For Espresso VS. Filter“という記事です。

ROASTING FOR ESPRESSO VS. FILTER

いつも独自の視点から鋭い考察を展開しているRao氏から、エスプレッソ用の焙煎についてのヒントをもらっちゃいましょう!

本編

One of the issues roasters ask me about most frequently has to do with the difference between roasting for filter or espresso. It’s a frustrating topic, not least because I don’t know exactly what others mean by “filter roast” and “espresso roast.”  Most roasters roast darker for espresso, but one roaster’s “filter” may be darker than another roaster’s “espresso” roast; there are no universal definitions. Years ago a client implied on his blog that I advocate “omniroasting” (i.e. roasting the same for espresso and filter.)  That was an assumption he made because I had asked him why he roasted differently for espresso and filter. To him, my question implied that I believed in omniroasting, but that wasn’t my intention.

ロースターが最も頻繁に尋ねてくる関心ごとの一つにフィルターとエスプレッソで違った焙煎をする必要があるか、ということがある。これが厄介なトピックなのは、他の人がどんな意味で「フィルターロースト」と「エスプレッソロースト」と言っているのかが明確にわからないから尚更である。多くのロースターはエスプレッソ用には深く焙煎するが、あるロースターの「フィルター用」が他のあるロースターの「エスプレッソ用」よりも深いこともあるだろう。ユニバーサルな定義がないのだ。何年か前にあるクライアントが彼のブログの中で、私が「オムニロースティング」(これはすなわちエスプレッソもフィルターも同じ焙煎をするといこと)というものを主張していると示唆した。彼にとって、私の質問が私がオムニロースティングを信じているという意味に捉えられたのだが、それは私の主張とは異なる。

I don’t have a strong opinion about omniroasting, but I’d like to share some thoughts and let you draw your own conclusions.   My hunch is that most roasters roast espresso darker because of some combination of these three factors:

私はオムニロースティングについて強い意見は持っていないが、いくつかの考えをシェアしたいのと貴方に自分自身の結論を描けるようにしたい。私の予想では多くのロースターがエスプレッソ用にはより深く焙煎する、というのはここに挙げる3つの要素の組み合わせによることからくる。

– Temperature

– Underextraction

– Milk

  • 温度
  • 未抽出
  • ミルク

TEMPERATURE

温度

When brewing filter coffee, the ratio of water: grounds (by weight) is usually something like 17:1.   When brewing espresso, the water involved in the process (water that gets into the cup + water absorbed by the grounds) relative to grounds is typically 3:1 or 4:1.  Let’s do a back-of-the-envelope calculation:

フィルターコーヒーを抽出する際、水とコーヒーの粉の重さの割合は大抵17:1くらいだろう。エスプレッソを抽出する場合は、抽出過程に関わる水の全量(カップに落ちる水+コーヒー粉に吸収される水)とコーヒー粉の割合は3:1あるいは4:1が典型である。簡単な計算をしてみよう。

Batch brew:

バッチブリュー

water: 1700g @ 94° c (201°f)

水:1700g、94度

grounds: 100g @ 25° c (77°f)

コーヒー粉:100g、25度

If you were to mix the grounds and water together, and the average temperature will be near 90°c. (194°f) (I know this a gross oversimplification of slurry temperature. Please bear with me and focus on the forest, not the trees.)

コーヒー粉と水を混ぜると、平均温度は90度近くになるだろう(これが全体を過度に単純化した色々混ざったものであることは承知している。どうか我慢して欲しい、森に集中して欲しい、気ではなく)。

Espresso:

エスプレッソ

water: 70g @ 94° c (201°f)

水:70g、94度

grounds:  20g @ 25° c (77°f)

コーヒー粉:20g、25度

average temperature of the system:  79° c (174°f)

システム全体の平均温度は79度

Not only is the average temperature much higher in a batch brew, but espresso extraction is much more “front loaded,” meaning a disproportionate amount (>50%) of coffee solids are removed in the first few seconds of an extraction– and, that early extraction happens at a very low temperature, perhaps around 70° c.  When brewing filter, extraction is less front-loaded and early extraction occurs at much higher average temperatures.

平均温度がバッチブリューより高いだけでなく、エスプレッソ抽出はより「前倒し」だ。つまり、(50%以上の)不相応なコーヒーの固形物が初めの数秒のうちに抽出され(そしてこの早期の抽出はとても低い温度で起こるが、それはおそらく70度くらいだろう。フィルターで抽出される場合は、前倒しの抽出はより少なく、早期の抽出もより高い平均温度で起こる。

Hey Rao, does this really matter?

ねえRao、これってそんなに大事なこと?

Good question.  When’s the last time you set your kettle temperature to something like 81° c (178°f) for a hand pour?  Probably never, but if you did, what was the result?  I’m guessing the coffee was rather sour.  My point is that the lower temperatures of espresso extraction tend to make coffee sourer.  And to combat sourness, roasters tend to roast darker.

いい質問だ。最後に手作業で抽出するときにケトルを81度にセットしたのはいつだろうか?おそらくしたことがないだろうが、もしした場合、結果はどんなものになるだろう?私が推測するに、コーヒーはとても酸っぱいはずだ。つまり私が言いたいのは、低い温度でエスプレッソを抽出するということはコーヒーをより酸っぱいものにするということだ。この強い酸味をなんとかするために、ロースターは深く焙煎するのだ。

UNDEREXTRACTION

未抽出

Before there were VST baskets and the coffee refractometer, espresso underextraction was the norm in specialty cafes.  Poor grind quality (still an issue, though there are finally a few espresso grinders out there able to extract normales above 20%), and the popularity of dosing 18g–20g (into baskets meant to hold 14g) contributed to frequent underextraction.  For several years, third-wave cafes and their predecessors were almost always serving sour, sub-19% espresso extractions.

まだVSTバスケットやコーヒー屈折計(濃度計)がなかったころ、エスプレッソの未抽出はスペシャルティカフェでは普通のことだった。グラインドの質が悪く(未だに問題だが、ようやくいくつかのエスプレッソグラインダーで20%以上正常に抽出できるものが出てきた)、一般的な18から20gのドーシング(バスケットに入るのは14g)は頻繁に未抽出を引き起こしていた。何年かの間は、サードウェーブカフェやその先駆者はほぼ常に酸っぱい19%以下のエスプレッソを抽出していたのだ。

Underextraction, like low extraction temperatures, often makes coffee sourer.  I believe chronic underextraction contributed to the popularity of roasting darker for espresso than for filter coffee.

未抽出は、低い抽出温度が原因で引き起こされるような、しばしばコーヒーをすっぱいものにする。私は、慢性的な未抽出がフィルターコーヒーよりもエスプレッソをより深く焙煎するのを一般的にしてきたと信じている。

MILK

ミルク

I’d estimate that more than 80% of espresso shots pulled outside of Italy end up in milk-based drinks. Simply put, most roasters and consumers seem to prefer espresso to be roasted a little darker when it is to be consumed in milk rather than black.

私が推測するには、イタリアの外で抽出されるエスプレッソのうち80%以上は最終的にミルクベースのドリンクとして供されている。簡単に言うと、多くのロースターや消費者はエスプレッソがブラックよりミルクに入っているために少し深く焙煎しているように見えるのだ。

SHOULD YOU ROAST DARKER FOR ESPRESSO?

エスプレッソ用に深く焙煎するべきか?

If you’re underextracting and combining your espresso with milk, yes, almost certainly.  If you’re confident your extractions are high enough (let’s say >19.5% on most grinders, >20.5 on an EK) to avoid sourness, the answer is not so clear.  Even when roasting for black coffee (ie not combined with milk) to be pulled at a high extraction, there is still the issue of most of the extraction occurring below 80° c, and the potential for sourness.  I assume the extra sourness of such low extraction temperatures would still lead most roasters to prefer slightly darker roasts for espresso than for filter.

もし未抽出だったり、エスプレッソをミルクと合わせたりするなら、そう、ほぼその通りだ。もし、抽出効率が十分に高く(多くのグラインダーで19.5%以上、EKなら20.5以上)酸っぱさを抑えているという自信があるなら、答えはそれほど明白ではない。ブラック用(つまりミルクと合わせない)に焙煎され、高効率で抽出されたときでさえ、ほとんどの抽出が80度未満で起こっている問題はあるわけで、酸っぱくなる可能性はある。抽出温度の低さによる過度の酸っぱさはしばらくは多くのロースターをエスプレッソ用にフィルター用よりも若干深く焙煎する傾向は続くものと思われる。

THE MORE IMPORTANT CONSIDERATION

最も考えなければならないこと

When roasters ask me about roasting for espresso vs. filter, I usually emphasize that whatever my opinion of the issue, it’s more important to focus on whether one should roast differently for black coffee (no milk) vs. white coffee (cappuccino, latte, etc).  To me, the difference in roasting for black vs. white coffee is significant; the difference in roasting for filter vs. espresso is modest.  That delicate, lightly roasted Yirgacheffe that tastes sublime as a straight espresso may drown in a cappuccino.  Likewise, I’ve had delicious cappuccini made from shots I would have found flat or slightly roasty, had they been served black.

ロースターが私にエスプレッソ用VSフィルター用の焙煎について聞くとき、通常この問題に対する私の意見が何であれ強調するのは、ブラック(ミルク無し)とホワイト(カプチーノやラテなど)で異なる焙煎をすべきなのかということに焦点を当てる方がより重要だということだ。私にとっては、ブラックとホワイトコーヒーで焙煎を変えることは非常に重要で、フィルター用とエスプレッソ用で焙煎を変えることはあまり重要ではない。繊細に浅く焙煎されたイルガチェフェはストレートのエスプレッソの時に荘厳な味わいであり、カプチーノでは埋もれてしまうだろう。同様に、ブラックだとフラット、あるいは若干焙煎臭のあるようなショットで作られた美味しいカプチーノを飲んだことがある。

THE BOTTOM LINE

最終的に言えること

Don’t worry too much about omniroasting or other philosophical issues.  Try not to be dogmatic about how light or dark a roast must be, what’s popular, or what you’re “supposed to do.”  Measure often, taste blindly, and try to be logical (ie “if extraction temperature is lower, coffee may taste sourer, so perhaps I should try roasting darker and see if it’s better.”)  In the end, go with what tastes good, even if the internet disagrees or this year’s barista competition finalists did the opposite.  I promise in a year or two the winner will do the opposite of what this year’s winner did!

オムニロースティングや他の哲学的な問題についてはそれほど心配することはない。どの程度浅く、あるいは深くなければいけないか、あるいは何がポピュラーか、どのようにするべきなのかについて独断的にならないようにしよう。よく計測し、ブラインドでテイスティングし、ロジカルでいるようにしよう(例えば、「抽出温度が低ければ、コーヒーはより酸っぱくなるから、おそらく深い焙煎を試してみるべきで、どうなるか見てみよう」など)。最終的には、何が美味しいかを追求すべきだ、例えインターネットで反対意見が多くても、その年のバリスタ競技会で決勝進出者が逆のことをしていようと。約束する、数年後には勝者はその年と逆のことをしているはずだ。

I’ve only touched upon the surface of this issue, so please share your thoughts.

私はこの問題の表面的なところにしか触れていないので、あなたの考えを聞かせてほしい。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

抽出時の湯温についての考察は目から鱗で、フィルターとエスプレッソではかなり異なることがわかりました。

これが抽出結果に大きな影響を与えていて、このことを考慮する、という視点は非常に新鮮でした。

また、「ミルクと合わせるか」という視点も前回にはあまり触れられていなかった点です。

確かに、日本でもエスプレッソをブラックでそのまま飲む文化はあまりポピュラーではないと思います。

スタバにも「エスプレッソロースト」というブレンドがありますが、これもコンセプトにミルクとの相性を挙げていたはずです。

あそこはそもそも深煎りですが…

逆に今回の考察では、焙煎度を変える、という視点で展開しており、同じ焙煎度の中で焙煎時間を調節する、という前回とは別の考え方が得られました。

それでは今回はこの辺で。

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